『思想』2022年第5号・特集「戦争社会学の可能性」
野上元「「わからない(DK)」という無責任、それとも希望?-戦争と平和に関する社会意識をめぐって」
p5-16
特集の目次は後ほど。ご教示ご批判お待ちしております…。
思想の言葉 青木秀男
「わからない(DK)」という無責任,それとも希望?――戦争と平和に関する社会意識をめぐって 野上 元
戦時性暴力とジェンダー――男性被害者を包摂した議論のために 児玉谷レミ・佐藤文香
〈人間〉を取り戻す――立ち上がる原爆被害者たち 直野章子
「身体化された軍隊経験」を振り返る――「復員兵の子」というあるひとつの「戦争経験」のポストメモリー 蘭 信三
ある幹部自衛官の思想と行動 一ノ瀬俊也
歴史小説のなかの「戦争と社会」――司馬遼太郎とネガとしての「明るさ」 福間良明
戦没者慰霊と紀元節――三笠宮崇仁にとっての軍隊と学問 西村 明
島嶼戦と住民政策――日本帝国の総力戦と疎開・動員・援護の展開 石原 俊
蘭信三・石原俊・一ノ瀬俊也・佐藤文香・西村明・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(5)変容する記憶と追悼』
蘭信三・石原俊・一ノ瀬敏也・佐藤文香・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(5)変容する記憶と追悼』岩波書店、2022年
『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって
総説 戦争を記憶し、戦争死者を追悼する社会とそのゆくえ……………西村 明
第Ⅰ部 記憶する人々
第1章 シドニー湾特殊潜航艇攻撃をめぐる日豪の記憶とその変遷……………田村恵子
第2章 憲兵と暴力――マニラBC級裁判の記録を中心に……………岡田泰平
第3章 死者と生者を結びつける人々――パプアニューギニアにおける戦地慰霊と旅行業者……………中山 郁
コラム① 朝鮮人特攻隊員という問い……………李榮眞
第Ⅱ部 記憶の支点――想起をもたらす場所とモノ
第4章 「原爆の絵」が拓く証言の場……………直野章子
第5章 空襲の死者を想起する場所――遺骨・モニュメント・写真……………木村 豊
第6章 アジア系アメリカと「慰安婦」碑――国境を超える共感と批判……………中村理香
コラム② 花岡町と鉱山と『花岡事件』をめぐる人々……………坂井田夕起子
コラム③ 戦後天皇と慰霊――「靖国型追悼路線」からの展開……………西村 明
第Ⅲ部 記憶・記念の実践と冷戦後の社会
第7章 戦争記憶の世代間継承と社会――「選択されたトラウマ」と山西省盂県の記憶……………石井 弓
第8章 「沖縄の精神衛生実態調査」にみる戦争と軍事占領の痕跡……………北村 毅
第9章 なぜ私たちは黙禱するのか?――近代日本における黙禱儀礼の成立と変容……………粟津賢太
コラム④ 戦争の記憶を共有すること――記憶表現の現場から……………大川史織
福間良明編『昭和50年代論: 「戦後の終わり」と「終わらない戦後」の交錯』みずき書林、2022年
野上元「第13章 修養小説の臨界-「成長」を描く『機動戦士ガンダム』」p511-544
福間良明編『昭和50年代論: 「戦後の終わり」と「終わらない戦後」の交錯』みずき書林、2022年
目次
序章◎「戦後の終わり」の始まりとその葛藤…福間良明
第1部◎「戦後」への疑念
第1章 五〇代になった特攻隊の生き残り…井上義和
第2章 郊外家族の揺らぎと「戦後民主主義」の再検討…山本昭宏
第3章 性愛、暴力とポリティクス…日高勝之
第4章 交叉する理想…白戸健一郎
第2部◎ナショナリティのゆらぎ
第5章 海洋博批判とセクシャリティ観光の接合…小川実紗
第6章 『季刊三千里』からみられる在日韓国・朝鮮人の昭和五〇年代…権学俊
第7章 ディスカバー、ジャパニーズ…松永智子
第3部◎「趣味」の変質
第8章 昭和五〇年代の美容言説…谷本奈穂
第9章 劇画の時代の終焉…森下達
第10章 マイコンにみた世界の夢と慰め…前田至剛
第11章 体育(会)からの逸出…佐藤彰宣
第4部◎修養と教養の残影
第12章 時代遅れの〝スポ根ドラマ〟…水出幸輝
第13章 修養小説の臨界…野上元
第14章国民的英雄・植村直己の誕生…高井昌吏
第15章 大衆歴史ブームと教養主義の残滓…福間良明
蘭信三・石原俊・一ノ瀬俊也・佐藤文香・西村明・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(3)総力戦・帝国崩壊・占領』
蘭信三・石原俊・一ノ瀬敏也・佐藤文香・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(3)総力戦・帝国崩壊・占領』岩波書店、2022年
『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって
総説 総力戦・帝国崩壊・占領……………石原 俊・蘭 信三
第Ⅰ部 総力戦と動員
第1章 日本帝国軍の兵站と「人的資源」……………佐々木啓
第2章 「民族」の壁に直面した「内鮮一体」……………三ツ井崇
第3章 総力戦の到達点としての島嶼疎開・軍務動員……………石原 俊
――袂袒南方離島からみた帝国の敗戦・崩壊
コラム● 内地・外地の疎開と家族主義……………大石 茜
第Ⅱ部 帝国崩壊と人の移動
第4章 戦後東アジア社会の再編と民族移動……………蘭 信三
第5章 戦時体制から戦後社会の再編へ……………石田 淳
――人口動態・社会移動データからの俯瞰
第6章 占領と「在日」朝鮮人の形成……………崔徳孝
――アメリカによる戦後処理とグローバル冷戦のなかで
コラム● 引揚者の性暴力被害――集合的記憶の間隙から届いた声……………山本めゆ
コラム● 台湾二二八事件と在日華僑社会……………陳來幸
第Ⅲ部 占領と社会再編
第7章 占領をかみしめて……………青木 深
――暁テル子が歌った「アメリカ」と「解放」
第8章 基地社会の形成と変容……………古波藏契
――沖縄占領体制とその遺産
第9章 重層する占領・虐殺……………高誠晩
――済州四・三事件を中心に
コラム● 「アメリカの湖」のなかのミクロネシア……………竹峰誠一郎
赤川学・祐成保志編『社会の解読力<歴史編>ー現在せざるものへの経路』
赤川学・祐成保志編『社会の解読力<歴史編>ー現在せざるものへの経路』新曜社、2022年
野上元「日本社会論の現在と戦争研究の社会学的可能性」(第5章)、p87-114
目次
序に代えて――歴史社会学・再考 佐藤健二
第1章 文書館の政治学――〈啓蒙の装置〉から〈記憶の装置〉へ 葛山泰央
第2章 トラウマの言説史――近代日本は「心の傷」をいかに理解してきたか 佐藤雅浩
第3章 南ティロルにおけるファシズム/レジスタンスの記憶
――解放記念日と凱旋門の顕彰を手がかりとして 秦泉寺友紀
第4章 戦争体験と「経験」――語り部のライフヒストリー研究のために 清水亮
第5章 日本社会論の現在と戦争研究の社会学的可能性 野上元
第6章 丸山真男の歴史社会学
――遥かなる過去から東アジアの近代を見るとき 李永晶
第7章 昭和五十年代を探して 高野光平
第8章 戦前日本における家族社会学前史
――『社会学研究室の一〇〇年』を手がかりとして 米村千代
第9章 コミュニティを統治する――ハウジングの社会調査史 祐成保志
第10章 歴史社会学の作法の凄み――『流言蜚語』について 赤川学
あとがき 赤川学・祐成保志
蘭信三・石原俊・一ノ瀬俊也・佐藤文香・西村明・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(4)言説・表象の磁場』
蘭信三・石原俊・一ノ瀬敏也・佐藤文香・野上元・福間良明編『シリーズ戦争と社会(4)言説・表象の磁場』岩波書店、2022年
目次
『シリーズ 戦争と社会』刊行にあたって
総 説 「体験」「記憶」を生み出す磁場――戦後と冷戦後の位相……………福間良明
第Ⅰ部 拮抗する「反戦」と「好戦」
第1章 国民参加のファシスト的公共性――戦時デモクラシーのメディア史……………佐藤卓己
第2章 ミリタリーカルチャーの出版史――戦記・戦史・兵器を扱うことの苦悩……………佐藤彰宣
第3章 日本遺族会と靖国神社国家護持運動……………福家崇洋
第Ⅱ部 戦争体験論のポリティクス
第4章 「戦中派」とその時代――断絶と継承の逆説……………福間良明
第5章 小林金三と「満洲国」建国大学――『北海道新聞』論説陣を支えた東アジアの視座……………根津朝彦
第6章 沖縄戦記と戦後への問い――「本土」への懐疑と希求……………櫻澤 誠
第Ⅲ部 冷戦後の社会と前景化する記憶
第7章 被害と加害を再編する結節点としての「戦後五〇年」――国境を越えてゆく戦後補償の運動と言説……………玄武岩
第8章 ネット時代の「歴史認識」――「慰安婦」「靖國」の争点化から「ネット右翼」へ……………森下 達
第9章 原発災害後のメディア言説における「軍事的なもの」――「感謝」による統合とリスクの個人化……………山本昭宏